
「一人遊びが好き」
→一人遊びが好きでも何の問題もありません。
まず、最初に挙げられることは、
遊びには、「一人遊び」から「お友だちと一緒に遊ぶ」ということに行き着くまでに
いくつかの段階を追っていくということを理解しなければなりません。
そして、その段階がまだ「一人遊び」だということです。
また、一人遊びが好きで、お友だちとなかなか関わらなかったとしても
重要なことは「必要なときにお友だちとコミュニケーションをとることができ、
共同作業を行うことができる」
ということではないのでしょうか。
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・さっきまでお友だちと遊んでいたと思ったら、一人で遊んでいた
・お友だちが「一緒に遊ぼう」って誘ってくれても、断り一人で遊んでいる
こういったことは、幼稚園や学校に通う子ども達に多々あることです。
その子にとって、お友だちという存在はまだそんなに必要ではない可能性があります。
もっといってしまえば、「うまく遊べない」の項目でもお伝えした
「遊びの発達段階説」にもある通り、連合遊びや協同遊びが楽しいと感じるには
さまざまな認知機能が発達している必要があるのです。
そもそも、お友だちはすぐにそんなに必要なのでしょうか。
仮に「お友だち」という存在がいなかったとしても
必要なときにお友だちに助けを求めることができれば、問題ないのではないでしょうか。
そして、「自身が困った時」に
・自分が困っているということを認識できる
・人に助けを求められる
・助けてもらった後にお礼が言える
ということの方が大事なのではないでしょうか。
さらには、上手に助けを求めることができれば
必要に応じて「お友だちと遊ぶようになる」のです。
では、上記に掲げた
「自分が困っているということを認識できる」
という能力は、全ての子どもが習得しているのでしょうか。
答えは、「NO」です。
子どもの認知能力によっては、
何が困るということで、何が困らないということなのかが
よく分かっていない、ということは往々にしてよくあることです。
言い換えると、
親からすれば、十二分に困ったこと、またはこれからとても困ることになるのに
「子どもはそれば全くピンときてない」
ということです。
では、なぜ子どもは「十分に困る事実なのにピンとこない」のでしょうか。
それは、
・今がどのような状況なのかが理解できていない
・頭の中で状況が整理できていない
・先への見通しが立てられないから、これから困ることになることが想像できない
・一般常識が不足しているので、何がどうなると困るのかが理解できない
・現在の状況を認識できたとしてもスグに忘れてしまう
という可能性があります。
上記に関して、子どもが物事にどれだけ対応できるかの能力をを測る
「WISC-㈿(ウィスクフォー)検査があります。
もし、「今がどういう状況なのか理解できていない」ということであれば
「理解」できるようなトレーニングをする必要があります。
具体的に言うと、下記の手順でトレーニングを行うのです。
1)目で見ているさまざまな事象を認識させます。
※ただ視えているだけでは、認識しているとはいえません。
2)いくつかの事象を次々と認識させていき、記憶させます。
3)記憶した事象を頭の中で統合させます。
4)統合した事象を再認識させます。
5)統合した事象を自身が持つ記憶と照らし合わせます。
1)の事象の認識ですが、これは「ただ見えている事象」を
「意識的に認識させていく」トレーニングになります。
2)は1)の連続版ですが、場合によっては視覚記憶(目で見たことについての記憶)の
短期記憶トレーニングまでは実施することがあります。
記憶についての論文は多々出ているのですが、
脳の機能が100%分かっているわけではないので、記憶に関しての解釈もさまざまになります。
また、脳科学的に記憶を解釈した場合と心理学的に記憶を解釈した場合とで
大きな差が生まれています。
ここでは、我々「発達心理サポートセンター」として
記憶をどのように捕らえているかをお伝えしましょう。
記憶に関しては、
・目から入れた記憶(視覚記憶)
・耳から入れた記憶(聴覚記憶)
・鼻から入れた記憶(嗅覚記憶)
・口から入れた記憶(味覚記憶)
・皮膚から入れた記憶(触覚記憶)
などに分かれます。
勉強面で考えると
・目から入れた記憶(視覚記憶)
・耳から入れた記憶(聴覚記憶)
が大事になります。
人によって
・見て覚えることが得意なのか
・聞いて覚えることが得意なのか
が異なるです。
見て覚えることが得意な人は、覚えたい「もの」を
じっと見続けるだけで良いのです。
聞いたり、書いたりしなくてもまさしく「見る」だけで覚えるのです。
一方、聞いて覚えることが得意な人は、
覚えたいことを「聞く」だけで覚えられるのです。
その場合は、覚えたい「事柄」をスマホなどに音声記録して
繰り返し聞いて覚えるということです。
一方、「書いて」覚えるという人は、どうやって覚えているのでしょうか。
それは、2つの方法を融合しています。
まずは、「書く」という行為で覚える「手続き記憶」
そして、その書いたものを「見る」という「視覚記憶」です。
どうやって記憶していけば良いのかを、まずは探します。
何かを覚えるのに「視覚記憶」が良いのか、
それとも「聴覚記憶」が良いのか、
または「手続き記憶」が良いのか。
一番、効率の良い方法を探します。
それは、WISC-㈿検査でも分かります。
それが分かった後で、その記憶の入力方法をトレーニングによって
「強化」するのです。
簡単に言うと、「視覚記憶」の強化の場合、
10分間、何かを見て覚えられたものを5分で覚えられるようにする、
といった感じです。
勉強の定着云々とは別に「記憶力」を強化しておくと
今後、さまざまな場面で役に立つでしょう。
さて、話を元に戻します。
3)2)で記憶した事象を頭の中で統合させ、
そしてその統合した事象の細部をアウトプットしていくトレーニングを行います。
4)再認識では、一般常識に照らし合わせた上で、
どういうことが分かるのかを判断させていきます。
5)最後には、記憶の中にある事象と照らし合わせて
どう分析するのかを把握させていきます。
このトレーニングの結果、「場の空気が読めない」という子どもも
ちゃんと場の空気が読めるようになったという一例も出ております。
また、もし子どもが「頭の中で状況が整理できていない」というのであれば、
頭の中の情報を整理するトレーニングを実施すればよいだけなのです。
そして、その他の項目である
・先への見通しが立てられないから、これから困ることになることが想像できない
・一般常識が不足しているので、何がどうなると困るのかが理解できない
・現在の状況を認識できたとしてもスグに忘れてしまう
ということもトレーニングによって改善できます。
ご興味がある方は、お気軽にご連絡下さい。
まずは、WISC-㈿検査でその子の認知の状況を確認しましょう。