
「宿題ができない」
→「宿題」ができないという前に
何がその子の課題なのかを判断しなければなりません。
そして、その課題が分かれば
トレーニングで改善することができるのです。
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宿題ができない子どもの問題を考える際の大前提として
・宿題があるのを忘れてしまう
・宿題よりも他のことを優先してしまう
・宿題が難しくてできない
のどれがその子に当てはまるのかを考える必要があります。
「宿題があるのを忘れてしまう」ということについて、
まず考えられることが「短期記憶」に関してです。
「短期記憶」が低いとどうしても物事を忘れてしまいがちです。
本人に悪気はないです。
その場合は、宿題があるという前提の元で
行動をパターン化させる必要があります。
もし、時間があれば「短期記憶」を鍛えるトレーニングを行うのも
良いでしょう。
また、出された宿題に対して、
宿題という「認識」があるのかということも課題に挙げられます。
人は、目でものを見ている訳ではありません。
目はただのレンズなのです。
それでは、どこでものを見ているのかというと「脳」になります。
例えば、宿題のプリントを受け取ったから
宿題だと認識しているはずだと思うと間違いになります。
誰でも「何のプリントか分からない」けど、
取り合えず回ってきたから取った、ということがあるはずです。
その場合は、宿題が出ているという認識は薄い、もしくは全くないはずです。
どのような場合でも常に宿題があるという前提を元に
行動をパターン化していくのです。
ようは宿題がある日とない日が混在すると忘れやすいので
「常に宿題はある」として行動をパターン化するのです。
宿題よりも他のこと、例えば部活や習い事、
遊びを優先してしまう場合も「認識の違い」が課題に挙げられます。
その場合は、認識を正すことよりも
ルーチンに組み込んだ上で行動改善を図っていく方が早いかもしれません。
そもそも「宿題」は何のためにやるものでしょうか。
そうです。
学校で習ったことを「定着」させるためにやるのです。
いってしまえば、宿題をやらないと
勉強ができるようにはならないのです。
では、「なぜ、勉強ができるようになった方が良い」のでしょうか。
「勉強はやるものだ」「勉強が仕事」と本気で思っている子は
少ないと思います。
「勉強をすることのメリット」とは一体、何なのでしょうか。
そのメリットがちゃんと理解できていれば、宿題もやるはずです。
しかし、そのメリットは「子どもから見てのメリット」です。
したがって、「勉強ができると将来、色々な仕事に就くことができるよ」
などと言われても、「仕事」自体に現実味がないので、
子どもにとってのメリットにはならないのです。
「なぜ、勉強をしなければならないのか」
とある人はこう回答しています。
なぜ、勉強をしなければならないのか。
それは、誰が嘘つきで、誰が本当のことを言っているのか判断するため。
世の中には、自分のことを貶めようとする人がいる。
人を騙して成功しようとする人がいる。
そんな人に騙されて、自分の人生を台無しにしてはいけない。
自分の身を守るために勉強するのだ。
素晴らしい回答です。
誰だって、嘘はつかれたくないし、騙されたくはないですよね。
でも、世の中には巧みに人を騙そうとする人はいます。
だから、その騙す人の「矛盾点」などに気付けるような
「知能」を養う必要がある、ということなんですね。
宿題をすることに対してのメリットが
他の行動よりも勝れば、宿題を優先して行動するはずなのです。
宿題を優先していないということは、
子ども自身が「メリット」を感じていないのです。
もしも、「宿題が難しくてできない」というのであれば、
学校の授業にもついていけていない、可能性があります。
その場合は、学校での授業について文部科学省が定義している
「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」
の何が苦手なのかを確認する必要があるのです。
宿題なので、もし「計算する」が苦手だとします。
苦手だから、たくさん課題をやらせておけば「得意」になるはずだ、
そう考えた人はお門違いです。
例えば、あなたには「嫌いな食べ物」がありますか。
その「嫌いな食べ物」を想像して下さい。
その「嫌いな食べ物」は、もしかしたら栄養価が高いかもしれません。
栄養価が高く、その栄養はあなたにとって必要なものなのであれば、
もしかしたら、嫌いでも食べるかもしれません。
しかし、栄養価が高かろうが、ダメなものはダメなはずです。
かといって、誰かに「栄養はあるから食べなさい!」と言われ、
その嫌いな食べ物を食卓に出され続けたら
嫌いなはずのその食べ物を好きになりますか?
私ならば、もっと嫌いに、
もっと言えば「見るのも嫌」になるでしょう。
これは、勉強に当てはめても一緒なのです。
嫌いなことを無理やりやらせてももっと嫌いになるだけなのです。
食べ物でいえば、無理やりに食べさせても無駄ということです。
食べ物であれば、どう加工して「美味しい」と思わせるか、
ということになります。
にんじんが嫌いなのであれば、細かく砕いて、
大好きなハンバーグに混ぜ込む、といった具合いです。
なぜ、勉強でそれができないのでしょうか。
「嫌いな勉強を好き」にさせてしまえば、
親御さんも「勉強しなさい!」というセリフを言う必要がなくなるのです。
「勉強しなさい!」と言う必要のない生活、
夢のような生活ですよね。
当然、その子に合った方法を見つけなければなりません。
食べ物でいえば、嫌いな物をハンバーグに入れるのか、
お味噌汁に入れるのか、パスタソースにからめるのか、の違いです。
子どもの状況に合わせた相談を無料で受け付けています。
まずは、お気軽にご連絡下さい。
さて、話を元に戻します。
本来であれば、「計算」に関して、
何が課題なのかを確認しなければなりません。
・数字の認識はあるのか
・計算手順は合っているのか
・10進法の概念は理解できているのか
・短期記憶はあるのか
・長期記憶はあるのか
もし、数字についての認識が不足しているのであれば、
まずはその認識を補わなければなりません。
計算手順についても、どこまで理解しているのか、
をちゃんと確認しなければならないのです。
しかし、短期記憶が低ければ、一度教えたことも
すぐに忘れてしまいます。
したがって、忘れてしまうこと前提で、繰り返し教えていくのです。
くれぐれも
「さっき、言ったよね?」とか
「何度、言わせれば分かるの?」とか
言ってはいけません。
だって、短期記憶が低いのですから、忘れて当然なのです。
このように「宿題ができない」から
さまざまなことを考えていくことができます。
そして、それぞれの課題が明確になったのであれば、
そこで初めて、行動改善のトレーニングを実践していくのです。
詳しい話が聞きたいという方は、お気軽にご連絡ください。