
「うつ病」がなかなか治らない、と思っている方、
「うつ病」と双極性障害は全く違う病気です。
抑うつ状態が少し良くなったと思い、
医師からもらったお薬を勝手に止めたりしていませんか。
もしかしたら、再発しているかもしれません。
投薬以外に認知行動療法やカウンセリングで
症状を軽くしたり、再発を防止したりできるのです。
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「うつ病」の基本的な症状は
・気分が落ち込む
・気が滅入る
・なんか悲しい
といった抑うつ状態です。
一方、抑うつ状態とは逆の状態を
「躁状態」といいます。
「躁状態」だと
・気分は爽快
・早起きする
・色々なことに興味を示す
・意欲的、開放的になる
・大きな声でよくしゃべる
・自分の能力を過大評価する
・怒りっぽくなる
・注意力が散漫になる
などの症状が現れます。
さて、米国精神医学会が発表している
の「DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引(American Psychiatric Association,2014)」
にある「躁病」のエピソードは
㈰自尊心の肥大または誇大
㈪睡眠欲求の減少
㈫多弁
㈬観念奔逸
㈭注意散漫
㈮目的にかかわらず活動性が高まり、じっとしていられない
㈯困った結果につながる可能性が高い活動に熱中する
といったものになります。
㈪の睡眠欲求の減少は、
2〜3時間くらいしか睡眠をとっていないのに、
よく眠れた、たくさん寝たと感じてしまう状態です。
また、㈬の観念奔逸とは
次から次へとさまざまな考えが頭に中に浮かび、
全くまとまらない状態のことをいいます。
過去、双極性障害の方のカウンセリングをしている時に
私自身もよくクライエントさんから
「宝くじで10億円当たったから、
いつも世話になっている車先生に1億円あげるよ」
とか
「有名な企業の社長さんと知り合いだから今度、紹介するね」
など色々な良いお話を伺ったことがあります。
しかし、それらは全て「躁状態」でのお話なので
当然、カウンセラーとして間には受けていませんが。
さて、そんな双極性障害ですが、
実は、双極性障害は病状に応じて3つに分類されるのです。
そして、その3つとも治療法方が異なるので
注意が必要です。
・双極㈵型障害
・双極㈼型障害
・気分循環性障害
上記の3つは、同じ双極性障害でも
別物と考えるべき疾患で、それぞれの特徴を
大まかにいうと下記のようになります。
双極㈵型障害
躁状態とうつ状態の時期がある
双極㈼型障害
躁状態とうつ状態の時期があるが、躁状態が軽度である
気分循環性障害
躁状態とうつ状態も軽度であるが、2年以上続いている
治療に関してですが、医師の診断が出ている状態では、
うつ病も双極性障害もまずは、投薬からスタートします。
双極性障害のお薬は、「気分安定薬」と「抗精神病薬」です。
一方、「うつ病」の治療には「抗うつ薬」になります。
また、「うつ病」には「抗うつ薬」だけではなく
「非定型向精神病薬」を使用する場合もあります。
そして、どちらも睡眠に関して異常がある場合は、
「睡眠導入薬」も処方されるのです。
お薬だけでも「うつ病」と「双極性障害」は違う病気だといえますよね。
さて、カウンセリングをしていると、
よくクライエントさんからこんな相談を受けます。
「病院で出た薬が効かない。」
実際に精神(こころ)に作用するお薬は
その人によっても異なりますが、効き始めるまでに
だいたい3週間から1ヶ月くらいかかるのです。
市販されている鎮痛剤のように即効で効くということはないです。
そもそも考えてみて下さい。
精神(こころ)に作用するお薬ですよ?
人のこころや気分、気持ちがお薬で、
そんなに簡単に変わって良いと思いますか?
しかも、そのお薬には「合う合わない」もあるのです。
したがって、病気が発症して、病院に行ったとしても
お薬が合えば3週間後くらいから効いてきますし、
お薬が合わないと1ヶ月が経過してもお薬が効いてこない、
ということが往々にしてあるのです。
そこで、「自分に合う薬を処方できない精神科医が悪い」
と言う人もいました。
しかし、その人に合う薬なんて
実際に飲んでみないと本当に分からないのです。
たとえば、市販されている風邪薬でさえ、
ルルがいいのか、エスタックがいいのか、それともパブロンなのか、
各々の強み(成分の違い)もあるかもしれませんが、
そこまで深く研究して、吟味して購入している方も少ないと思います。
結局、飲んでみて、効いた気がするのかどうか、ということなのです。
精神科は、初診の場合、電話で予約するのがほとんどになります。
その予約も電話をかけてから2週間後以降になるでしょう。
そうなると完治までにかかる期間を計算すると
病院の予約 2週間
薬が効き始めるまで 3週間〜1ヶ月 ※個人差あり
薬が効き、良くなるまで 3ヶ月 ※個人差あり
となります。
上記だけでも4ヶ月〜5ヶ月は費やしてしまうのです。
だからこそ、早期診断、早期治療が必要なのです。
また、上記は、あくまでも幸運が重なった場合になります。
したがって、治療開始から動けるくらいに治るまでは
6ヶ月〜1年はかかる恐れもあるのです。
だからこそ、病気の予防ができる認知行動療法や
カウンセリングが必要になるのです。
これからの未来、今、人間がやっている多くの単調な作業を
AIがまかなっていくということは、皆さんもご存知だと思います。
では、人間は何をするのか。
色々な意見もありますが、私はAIが行えない
人の管理など、人と接する仕事を人間が行うと考えています。
そうなると「人との関係で生まれる精神疾患(こころの病気)」は
ますます増えてくるのではないでしょうか。
であれば、なおさら予防というものが大事になってくるのです。
何もカウンセリングや認知行動療法だけにとらわれる、
ストレスを軽減する方法を自身でも4〜5つくらい持っていると安心です。
発達心理サポートセンターでは、ストレス軽減(ストレス・コーチングピング)
に関してのセミナーを随時、実施しております。
皆がストレスを抱えることなく、
いつも笑顔で生き生きと生活できる世の中になればいいなと
常に考えております。
最後に発達心理サポートセンターのカウンセリングや
認知行動療法をご希望の方は、お気軽にお問い合わせ下さい。