メッセージ

「なぜ、すぐに手が出てしまうのか」

→自分の気にいらないことが怒った場合、
 すぐに手が出てしまう、これは大きな問題でしょう。

 まずは、どういったことが原因で
 「手が出てしまうことが多いのか」

 そして、「どういう状況だと、手が出やすいのか」
 言語発達はどうなのか、認知機能の発達はどうなのか、 
 そういった諸々のことを確認した上で
 最終的なトレーニングに結びつけていきます。

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先ほどまではニコニコと楽しく遊んでいたのに、なぜか急に怒りだした、
自分の思い通りに物事が進まなくて、お友だちに手を出してしまった、
こういったことはどこででも起こり得ることでしょう。

原因として、さまざまなことが考えられます。

具体的には
・自身の怒りが制御できていない
・衝動性がコントロールできていない
・一般常識がズレている
・さまざまな感覚が統合されていない
・物事を客観的に理解する力が欠けている
・短期記憶の力が低い
などです。

そもそも「怒り」とは何なのでしょうか。

全ての動物には「怒り」という感情が備わっています。

人間でも「喜怒哀楽」というように
「怒り」はさまざまな感情の中でも二番目にくるくらいのものです。

では、なぜ、動物に「怒り」という感情があるのでしょうか。

「怒り」は防衛感情とも言います。
何を防衛するのか。
それは、自分自身を守るために必要な感情になるのです。

例を挙げてみましょう。

今、山登りをしています。
目の前に大きな熊が現れました。

あなたは、どうしますか?

㈰とっさに逃げる
㈪とっさに戦う準備をする
㈫ゆっくり、のんびり逃げる
㈬ゆっくり、のんびり戦う準備をする

まさか、㈫や㈬を選ぶ方はいませんよね。
そういった方、一瞬で熊にやられちゃうかもしれません。

㈰や㈪を選んだ方、
とっさに行動するために体はどう変化しますか?

認知機能と体の反応は、下記のような流れになります。

・視覚で何か動くものを見る ←何か分からないのであれば、ただ見えているだけ
・その動くものが「熊」だと認識
・認識した熊が危険だと認識
・脳は危険を察知
・アドレナリンやドパミン(ドーパミン)が放出
・心臓の鼓動が速くなる
・全身の血液の流れが速くなる
・体中、細部まで酸素が行き渡る
・酸素が全身に行き渡り、初めて瞬時に行動が取れる

このように「怒り」という感情がなければ
瞬時に行動できずに、熊にやられてしまう可能性があります。

したがって、人間、もっといえば動物から
「怒り」という感情を消すことはできないです。

では、どうすれば良いのか。

対策として挙げると下記の内容になります。

・アンガーマネジメントの実施
・アンガーコントロールの実施
・認知行動療法の実施
・応用行動分析(ABA)の実施
・感覚統合の実施
などになります。

また、WISC-㈿検査でその子の認知のバラつきを見ておくて、
さらに効果的な施策を打ち出すことができるようになります。

ちなみにそもそも論として、「衝動性のコントロール」は
とても難しいのです。

なぜなら、「衝動的」に行動する際に
多くの子どもは「頭が真っ白」になっているはずです。

「頭が真っ白」ということは「無意識」なのです。

「無意識下」での言動をコントロールするということは

㈰無意識下の言動を意識下にもっていく
㈪無意識下での言動を修正していく

という作業をしなければなりません。

「衝動性のコントロール」は大人でも難しいです。

実は、その「衝動性のコントロール」は
アンガーマネジメントでも大事な要素になります。

一体、どんなことをするのでしょうか?

色々な方法はあるのですが、
まずは、先ほどの「頭が真っ白」な状態に出来ることを探ります。

一番、効果的だったものが
「冷たいお水の一気飲み」です。

流れは、こういう感じです。

㈰自分の怒りのポイント理解する
㈪自分が怒りそうだという状況になったら、給湯室に大急ぎで行く
㈫予め、すぐに飲めるように、お水を冷やしておく
㈬冷蔵庫からお水を取り出し、一気飲みをする

皆さん、「怒っている状態」を想像してみて下さい。
呼吸は速くなっていませんか。

顔を真っ赤にして、怒っている人に
「落ち着いて!」
なんて言っても

「落ち着いてられっか!」

とどなられませんか。

または、顔を真っ赤にして、怒り狂っている人に
「深呼吸して!」
なんて言っても

「そんなことでできっか!」

とどなられるでしょう。

しかし、心臓の鼓動を抑えない限り、
「怒り」はなかなか収まらないのです。

だから、冷たいお水を一気飲みするのです。

お水を一気に飲みとき、同時に息も吸っています。
一気飲みした後、「ハーッ」って息を長く吐きませんか。

その長く吐いた息、深呼吸と一緒ですよね。

意識下で「深呼吸」はできなかったとしても
口元にお水がくれば飲むのです。

そして、飲み終われば無意識的に息を吐くのです。
結果、深呼吸と同じ効果が生まれるのです。

さらに、食堂を冷たいお水が通るのを実感できれば、
なおさら、体中の「熱」が冷めていくのです。

同時に「怒り」が収まるのです。

これだけではなく「アンガーマネジメント」の手法は
まだまだたくさんあります。

その子にあった手法を試していく、
併せて「無意識下」でも行動できるようトレーニングをしていく、
それが「アンガーマネジメント」なのです。

そして、結果的に問題行動が是正されていくのです。

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